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東京の下町の早稲田に生まれ育ちました。第二次世界大戦の終戦から 10 年以上たっていましたので戦争の傷跡はほとんどありませんでしたが、時代が激しく動いている時期でもありました。高度経済成長が始まり日本はどんどん豊かになっていきました。母の実家が下宿屋でしたので多くの早稲田大学の学生さんと東京大学の学生さんに遊んでもらいました。早稲田大学の学生さんたちは非常に優秀だったのですが、東京大学の学生さんの勉強量には驚きました。ほぼ一日中何かしらの勉強をしていたと思います。 早稲田大学の学生さんと東京大学の学生さんのお陰で学ぶことの楽しさがわかったのかもしれません。東京都立戸山高校、慶応義塾大学医学部に進学していくつかの病院で働き、義父のあとを継いで開業医となりました。この本を書くきっかけになったのは都立松沢病院などの精神科で非常勤の仕事をして多くの精神科の患者さんを見たためです。世の中が複雑になってくると精神障害の患者さんが増えます。 哲学者のフランシス・ベーコンは「知は力なり」と言いました。何事もまず知らなくては解決することはできま せん。本書によって認知症、統合失調症、うつ病、双極性障害のことを少しでも知っていただければ著者として これ以上の喜びはありません。
